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「ユリゴコロ」あらすじと感想  ラブストーリーで間違いない

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日本テレビの「あなたの番です」の最終回を視聴してこの映画「ユリゴコロ」を思い出しました。
生まれながらに人とは違った感覚を持ち合わせて生きる女性の話です。


主演は吉高由里子さん。「蛇にピアス」を観てから吉高由里子さんが好きで、特に彼女の暗さがたまらなく好きなんです。

この映画での吉高由里子さんは本当に絶賛したい。他のキャスト陣も素晴らしかったです、特に美紗子の幼少期を演じた子役の演技をぜひ観てほしい、そのくらい素晴らしい演技でした。

「ユリゴコロ」監督・キャスト



[監督・脚本]

 熊澤尚人


[キャスト]

 吉高由里子
 松坂桃李
 松山ケンイチ
 清野菜名


「ユリゴコロ」あらすじ



カフェを営む亮介(松坂桃李)は余命わずかと診断された父親に恋人の千絵(清野菜名)を紹介

するが、その直後、千絵が忽然と姿を消した。そして同じ頃偶然実家の押入れから1冊のノートを見つける。その日記には美紗子(吉高由里子)という女性の衝撃的な過去が記されていた。



「ユリゴコロ」ネタバレ感想

「私のように平気で人を殺す人間は脳の仕組みがどこか普通と違うのでしょうか」

「ユリゴコロ」と書かれたノートの書き出しです。


このユリゴコロというノートには「平気で人を殺す」という衝撃的な書き出しから始まって自分が人と違うということを知りながらその衝動を抑えられず人を殺めていった過程が詳しく書かれています。ノートを読み進めるうちにユリゴコロの意味を知って不気味な感覚につつまれます。


結局「ユリゴコロ」は心の「よりどころ」の聞き間違えで存在しない言葉でした。
医者が「この子にはユリゴコロがない」と母親に話していたのを幼かった美紗子は聞き間違えたのですが、美紗子は「ユリゴコロ」が存在しない言葉であると気づいてからも自分の生きる喜びをユリゴコロと表現します。


幼い美紗子は生きているだけで他の人にはわかりえない苦痛を抱えていて幼いなりに自分のユリゴコロを必死で探していて、自分自身に思えたユリコという人形を自分のユリゴコロにして虐待して安心を得たり、生き物を穴に落とすという行為に夢中になったりと、恐怖や苦痛を払いたくてただ純粋にユリゴコロを求め続けます。

友達を池に突き落として苦しみ果てる姿に生まれてはじめての喜びを感じる恍惚の表情は鳥肌が立ちましたよ。ただ欲望に真っ直ぐで罪悪感がないのだから。
その日から「死」が美紗子のユリゴコロになってしまいます。


死でしか生きる喜びを感じることができない美紗子は、「ユリゴコロ」を求めて人を殺していきます。
大人になった美紗子は調理学校で出会ったリストカットがやめられないミツコと出会ってユリゴコロを満たしはじめますが、結局ミツコも手にかけてしまうという思考回路。ここら辺は描写が過激で直視は出来ませんでした。


その後は娼婦のような生活をしてその日暮らしをしている時に、お金欲しさに美紗子がたまたま声をかけた男性が洋介(松山ケンイチ)でした。
洋介は美紗子がわざと鉄板を落として少年を殺した出来事で懺悔の人生をおくっていたのですが、お互い知らずに運命的に出会ったことで美紗子のユリゴコロが変化します。



「彼の優しさには容赦がありませんでした」



美紗子が語ったとても印象的な言葉です。
洋介と結ばれて今まで「死」でしかあじわえなかったユリゴコロを初めて感じることが出来ます。美紗子が愛するということを知った瞬間です。


美紗子が子どもを育て幸せな日々の喜びに涙したり日常を過ごしていることに、私は心の底から感動しました。
人を殺すことでしか喜びを得られなかった美紗子が1人の男性と出会うことで死以外の喜びを感じることができるようになるという、この映画は紛れもないラブストーリーであり愛で起きる奇跡が描かれている映画。人が変われたとき、私はそれを奇跡と表現したい。そのくらい人が変わるってすごいことだと思うのです。



亮介は美紗子の息子でした。一見穏やかに見えて内に秘めた凶暴性は美紗子の気質を受け継いでいるもので、ユリゴコロが自分の中にも存在することを亮介自分も自覚していたのですね。でも、美紗子を殺せなかった亮介のユリゴコロは恐れる必要はないはずです。


何十年ぶりに余命わずかの洋介と美紗子が病室で微笑み会うんですよ、究極のラブストーリーじゃないですか。


作品の過剰な偶然設定、私は簡単に目をつぶります。