「藁にもすがる獣たち」のネタバレ感想です。
大金が入ったバッグをめぐり登場人物たちの運命が狂わされていく。最後に笑うのは誰だ?
原作曽根圭介の「藁にもすがる獣たち」を映画化。
キム・ヨンフン監督長編デビュー作クライムサスペンス。
「ハウスメイド」「男と女」のチョン・ドヨン
「私の頭の中の消しゴム」「アシュラ」「無垢なる証人」のチョン・ウソン主演。
「藁にもすがる獣たち」 満足度
★★★★★★★★☆☆(星8)
「藁にもすがる獣たち」作品情報
●上映時間 109分
●公開 2021年
●監督 キム・ヨンフン
●脚本 キム・ヨンフン
●原作 曽根圭介
●キャスト
チョン・ドヨン(チェ・ヨンヒ)
チョン・ウソン(カン・テヨン)
ペ・ソンウ(ジュンマン)
チン・ギョン(ヨンソン)
ユン・ヨジョン(スンジャ)
シン・ヒョンビン(ミラン)
チョン・ガラム(ジンテ)
チョン・マンシク(パク社長)
「藁にもすがる獣たち」あらすじ
失踪した恋人が残した多額の借金を抱えて金融業者からの取り立てに追われるテヨン、暗い過去を清算して新たな人生を歩もうとするヨンヒ、事業に失敗してアルバイトで必死に生計を立てているジュンマン、借金のために家庭が崩壊したミラン。ある日、ジュンマンが勤め先のロッカーの中に忘れ物のバッグを発見する。その中には10億ウォンもの大金が入っていた。地獄から抜け出すために藁にもすがりたい、欲望に駆られた獣たちの運命は――。果たして最後に笑うのは誰だ!?
<引用元:映画「藁にもすがる獣たち」公式サイト>
※感想はネタバレを含んでいます!
ここからネタバレ注意です!
「藁にもすがる獣たち」ネタバレ感想
ホテルの浴室員として働くジュンマンはある客がロッカーに置き忘れたバッグを見つけます。
開けてみるとなんとバッグいっぱいの札束が(10億ウォン)!
いったい誰のお金?
時系列がバラバラなので一見関係のないように見えますが、実はこの大金をめぐって登場人物たちは繋がっていたのです。
窮地に立たされた登場人物たちのまさに藁をもつかむ姿を滑稽に描きつつ時系列を並べ替えた時に見えてくる驚愕の結末。
登場人物たちはそれぞれ深刻なお金の悩みを抱えています。
テヨン(チョン・ウソン)は恋人の借金の保証人になって闇金業者から返済を迫られています。次返済しなかったら命の保証も危うい状況。
ジュンマン(ペ・ソンウ)は経営している刺身屋が廃業してホテルの浴室係のバイトで生計を立てており、娘の大学進級の費用に困っている。
ミラン(シン・ヒョンビン)は借金返済のためホステスとして働き、夫からはDVを受けています。
中盤にやっと登場する本作の主役の1人ヨンヒ(チョン・ドヨン)も闇金の返済に追われて逃亡中。
窮地に立たされた彼らは自分が助かるためには手段を選びません。
テヨンは詐欺師のドンパルの逃亡を手助けするふりをしてお金を奪うつもりだったし、ミランは自分に好意があるジンテを利用して夫の保険金を狙っていました。
ヨンヒは優しい顔でミランに近づきミランの夫を亡き者にして保険金を奪うだけではなく、ミランに自分と同じサメの入れ墨を入れさせて自分の身代わりにするつもりでした。
しかし計画通りにはいかなかった・・・。
登場人物の誰かがどうにかなるというのは、冒頭の嫌なニュースで気がついてしまいました。
やはり映画冒頭のニュースは登場人物たちの未来を暗示していたのです。
路地から飛び出した男性が車に轢かれた事故→テヨン
投資を募り10億ウォンをだましたオ容疑者逮捕→ドンパル
ジュンマンも家が燃えてしまったし、パク社長もあんなことに。
ジンテも殺されてしまったし(クラブでは「人を殺して逃げてる」と言っていましたが、殺したことがないからあんなに病んだのでしょう)
ヨンヒの末路も自業自得とはいえエグかったです。(あの状況で「ぶっさいくな顔!」と言い放つヨンヒすごい)
登場人物のほとんどが悲惨な結末を迎えているのに
「生きていればなんとかなる」
家が燃えて泣くジュンマンを諭すスンジャの言葉が的外れなようでもあり映画の核心でもあり・・・
クライムスリラーというよりはブラックコメディよりの作品でした。
まとめ
身構えて観るほどグロい描写も少なく観やすい作品となっていました。
それにしてもチョン・ドヨン色気がありましたね~。
コミカルだけど緊張感のあるチョン・ウソンもよかった!
イケメンと美女率が高かったですね。
お読みくださりありがとうございました。